大玉中学校日記

2015年11月の記事一覧

導入時の切れ味がよみがえりました ~大玉村学校支援地域本部~

 11月26日,大玉村学校支援地域本部の仲立ちで,玉井在住の鈴木英雄さんが来校され,家庭科の調理実習などで使用するステンレス包丁20本を研いでいただきました。
 3年前からボランティアとして村の構造改善センターや保健センター,総合福祉センターさくら,フレンドリー大玉の厨房で使用している包丁の手入れもなさってきたそうです。ここ何年間も研がれることなく使われてきた本校の包丁は,刃先が丸まってしまったものや刃こぼれのあるもの,さらには刃が波打っているものなど,切れ味を取り戻すには容易ではない包丁がたくさんありました。
  このような包丁を,鈴木さんは四種類の砥石を使い分け一本一本時間をかけて,丁寧に磨いてくれました。昼食をはさんで約6時間,丸一日がかりで20本の包丁は,どれもが,手に持った一枚の紙を力を入れずに裁断できるまで切れ味を取り戻しました。今後の調理実習ではより手際のよい作業ができそうです。鈴木さん,ありがとうございました。

「夏の思い出」を再確認しました ~「友好の翼」報告会~

  大玉村海外交流事業「友好の翼」報告会が,26日夜,保健センターで開催されました。
 教育長さん,村長さんの挨拶の後,来賓の遠藤村議会議長さん,鈴木国内外交流推進会副会長さんから祝辞を頂戴しました。その後,いよいよ報告会のメインである「団員報告」の時間になりました。生徒全員が役割分担をして,旅行行程に沿って,楽しかった研修の様子を,時にはユーモアをまじえながら説明しました。投影される写真を見ながら,私を含めた,参加者にとっては「夏の思い出」を振り返る時間にもなりました。
 最後に,私から以下の話をさせていただきました。

 この研修の詳細につきましては,二学期のはじめ,学校だよりに「友好の翼」旅行記と題して6回に分けて連載させていただきました。その理由は当初の申し込みが予想よりも少なかったことが挙げられます。この研修旅行の充実した内容を今の1年生とその保護者に知らせ,次年度は定数を上回る申し込みがあることを願ってのことでした。ある一年生の担任からは「どうしたら台湾に行けるのですか?」と旅行記を目にした生徒から質問があったと聞き,少しは手応えがあったのかなと感じています。今回の研修で,参加した生徒がいかにたくさんのことを学ぶことができたかについては,今日の発表と「報告書」の作文から十分に伺い知ることができます。では,生徒たちが一番印象に残ったものは何かと思い,すべての生徒の作文に目を通し,記載されている訪問先や印象に残った出来事の統計を取りました。第3位は6名の作文で紹介された「十分」です。天燈と呼ばれる大きな風船(というよりは小型の気球)に墨で願い事をしるし,大空へ飛ばした体験が印象的だったようです。第2位は9名で「九份」。映画「千と千尋の神隠し」の世界観たっぷりのたくさんのお店が連なる路地を自由に散策し,ショッピングを楽しみました。では,第1位は何だったでしょうか?村長さん,教育長さん,「安心して下さい。彼らはちゃんと目的を果たしましたよ。」第1位は10名が作文の中で触れている「大竹中学での交流会」でした。
 私は大玉村教育委員会のスローガンが大好きです。そのスローガンとは「夢を育てる教育~おおたまに学び,世界とつながる人間の育成~」。このスローガンを具体的に実現しているのが今回の「友好の翼」ではないでしょうか。「百聞は一見にしかず」。台湾到着直後に感じた熱帯特有の湿気を含んだ生暖かい空気。至近距離で目にした台湾の至宝「翠玉白菜」の鮮やかな色彩。九份や士林夜市で鼻についた飲食店の独特の臭い。名物マンゴーかき氷の口の中で消えていく氷の何ともいわれぬ食感。そして優しい台湾の生徒達との交流…生徒達はまさに五感で世界とつながりました。これからも多くの大玉中生に同様の体験をさせたいものだと思います。ここで,生徒の皆さんにお願いがあります。今回取得したパスポートは5年間の有効期限があります。高校を卒業してから少しの間ですが使うことができます。それまでの期間にぜひ,もう一度今回のパスポートを利用して,できれば自分で貯めたお金で海外へ出かける目標を持って下さい。十代にもう一度「世界とつながる」経験ができれば素敵な事だと思います。
 最後になりましたが,生徒のみならず私たち引率の教師にまで貴重な研修の機会を与えて下さった,村長さん,教育長さん,神野藤さんをはじめとする大玉村当局の皆様方に改めて御礼を申し上ます。ありがとうございました。



                友好の翼」生徒が印象に残ったことベスト8

 ○ 第1位:大竹中学校との交流(10名)…対面前の緊張感,そして台湾の中学生の優しさに触れる
 ○ 第2位:九份(9名):「千と千尋の神隠し」の世界でショッピングを楽しむ
 ○ 第3位:十分(6名):願い事を書いた天燈(大きな紙風船)飛ばし体験に感動する
 ○ 第4位:士林夜市(5名):夜店が連なる歓楽街でショッピングとマンゴープリンを満喫する
 ○ 第5位:台湾の料理(4名):創造していたよりも食べやすく,高級食材も口にする。
 ○ 第5位:故宮博物院(4名):行列をつくる台湾の至宝,「翠玉白菜」は特に印象に残った様子
 ○ 第7位:飛行機内(3名):荒天で到着が遅れたが,機内ではゲームを楽しむ
 ○ 第8位:台北101(2名):超高層ビルの展望台から台北の夜景に感動する
 ○ 第8位:龍山寺(2名):同じ仏教の寺院でも,お参りの仕方など日本との風習の違いを実感する

2015年を振り返る時期となりました ~私の「今年の漢字」は?~

 各新聞紙上で恒例となっている「今年の10大ニュース」やユーキャン「新語・流行語大賞」など,日本には,その年の世相を振り返る恒例行事があります。その中の一つに日本漢字能力検定協会の「今年の漢字」があります。「今年の漢字」は,1995年から漢字の持つ素晴らしさや奥深い意義を伝えるための啓発活動の一環として始まりました。毎年年末に一年の世相を表す漢字一字を全国から募集しています。そして、最も応募数の多い漢字を12月12日(いい字一字)の「漢字の日」にちなんで、京都・清水寺で発表しています。今年は20周年を迎えます。
私も,毎年この時期,自分自身と自分が勤務する学校の「今年の漢字」を考えています。
 私自身の今年の漢字は「帰」としました。私は,ここに来る前の3年間は,会津の小学校に,その前3年間は福島市の教育委員会に勤務していました。この一文字には,7年ぶりに中学校の現場で働くことのできた喜びも込められています。
 私が選んだ大玉中の今年の漢字は「誇」です。創立40周年を経た本校の確かな足跡と先人の努力,そして生徒が歌う校歌のすばらしさに本校で勤務することのできる気持ちも込めて決めました。
  さて,皆さん自身の,そして家族の「今年の漢字」は何を選びますか?今年一年の自分自身の足跡を振り返る上で,親子で考えてみてはいかがでしょうか。


           過去5年間の「今年の漢字」一覧
○2014年「税」:消費税率が17年ぶりに引き上げ
○2013年「輪」:2020年東京オリンピック・パラリンピック開催決定
○2012年「金」:ロンドンオリンピックの活躍,スカイツリー開業等
○2011年「絆」:東日本大震災,W杯なでしこ優勝
○2010年「暑」:記録的な夏の「猛暑」,チリ鉱山事故

2年間の実践の成果を公開 ~「おおたま学園」公開授業研究会~

 11月25日,大山小学校を会場に「おおたま学園公開授業研究会」が開催されました。キーワード11は「人権教育」。「共によりよく生きる子どもの育成 ~自分の大切さとともに,他の人の大切さを認めよう~」を研究テーマに昨年度から2年間にわたり「おおたま学園」として5つの幼稚園・小学校・中学校が協働で実践してきた研究の成果を公開しました。大山小からは4クラス,玉井小からは3クラス,大玉中からも前回の学校だよりで紹介した3クラスが授業を公開しました。
 県内外から約150名の参加者があり,研究会は大きな成果を上げて終了することができました。授業の提供にあたった3名の先生方は,教科の本質と向き合いながら,試行錯誤しつつも多くの先生方の助言を得て,渾身の授業を提供してくれました。これからの授業づくりの貴重な財産になったことと思います。多くの参観者の視線を受けながら授業に取り組んだ生徒達にとっても,緊張感の中で得たものは少なからずあったのではないでしょうか。その他の先生方も,校内授業研究会を通して,生徒の「人権」に配慮した授業の実践に取り組んできました。
 今回の研究指定で,私が感じた一番の成果は,「人権」をキーワードに「おおたま学園」を構成する5つの幼・小・中の結び付きが,より緊密になったことだと感じています。一つの会場で幼稚園と小・中学校が同時に授業を公開したり,研究の成果を話し合う研究会の開催には多くの困難が生じます。本研究会でも,中学生が使う机の大きさ一つとってもクリアすべき問題は少なくありませんでした。事前に幾度も検討を重ね,知恵を出し合い,今回の公開授業研究会をつくりあげるプロセスで結び付いた先生方の連帯感は,今後の「おおたま学園」の運営にとって貴重な礎となることでしょう。


          1年3組 道徳                  2年1組 数学


        3年2組 美術

人権教育」に視点を当てた研修 

  二学期,私は大玉中学校教職員の今年度のスローガンに,「学び続ける教師がいる学校」をあげ,全教職員で指導力向上のための研修に取り組んできました。具体的にはすべての教員が,自分の専門教科あるいは道徳で,「人権教育」に配慮した研究授業を実施し,多くの先生方に助言をいただくことで授業スキルの向上を図っています。
  19日は,理科を担当する3名の先生が研究授業に挑みました。2年2組では山内先生が磁界の中で電流が受ける影響について実験を通して検証する授業を,1年3組では藤倉先
生がさまざまな光の屈折を観察する授業を,3年1組では佐藤貴弘先生が物体の速さの違いによる運動エネルギーの変化を実験データをもとに考察する授業を行いました。いずれの
授業でも,生徒が取り組みやすい,興味をそそる実験器具が準備されていました。さらに,すべての生徒が実験に参加することができる働きかけや,一人ひとりの気付きや考えを交流させる時間を確保するなど「人権教育」に配慮した工夫も取り入れていました。
  来週25日(水)は,大山小学校を会場に「おおたま学園」として2年間におよぶ「人権教育」の集大成となる公開研究会が開催されます。村内はもとより,県内外からも多くの参観者が予定されています。本校からは八巻恵奈先生が1年3組の道徳,渡邉博樹先生が2年1組の数学,八巻可菜子先生が3年2組の美術の授業を公開します。会場へはバスで移動し,大山小学校の教室を借りての授業となります。それぞれの学級の皆さんには,大玉中学校の代表として,多くの参観者を前に萎縮することなく,活発な授業となるよう期待しています。