大玉中学校日記

2015年7月の記事一覧

大玉中学校40年の歩み  Episode4 修学旅行の移り変わり その2

〈平成7年度~平成14年度〉
 平成7年度,創立21年目に,大玉中としては初めてとなる関東以外の地,北海道への修学旅行を実施しました。札幌,小樽,洞爺湖と道南を中心とするコースでした。平成14年度にも再び北海道を訪れています。平成9年,11年には沖縄を訪れています。北海道や沖縄が修学旅行先となった最大の要因は,平成5年に福島空港が開港し,千歳空港や那覇空港への定期便の就航があったことがあげられます。今後,平和学習を深めるために貴重な旅行先である沖縄への修学旅行が可能となるためにも,福島空港と沖縄を結ぶ定期便の再開が待たれます。
  平成13年度には,初めて関西方面への修学旅行を実施しています。前年度ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)がオープンしましたが,この学年は「阪神淡路大震災」の教訓や復興をテーマとした修学旅行を目指し,あえてUSJをコースに組み入れず,神戸での体験活動を取り入れました。(京都市内観光,大阪ドームでナイター見学は実施しています。)この年の卒業アルバムには,神戸で聴いた震災を体験された方からの講話に衝撃を受けたという感想が数多く記されていました。学年団の修学旅行に関する明確なねらいを感じることができた企画でした。
〈平成15年度~平成26年度〉
  この間は,平成22年度,24年度(いずれも関東方面)を除き,関西方面への修学旅行が定着しました。福島空港利用促進に伴う補助金受領の関係から,往復又は片道は飛行機を利用しています。行程は,京都市内観光とUSJおよびオフィシャルホテルの宿泊を基本線に,奈良市内あるいは大阪,神戸市内観光をオプションとして計画されています。来年度も関西方面での修学旅行が予定されています。
 修学旅行にかかる費用は年々増加する傾向にあります。教育費に関する保護者の負担軽減が叫ばれる中,この行事がなくならないのは,修学旅行が持つさまざまな教育的効果を期待してのことであることは間違いありません。今後は,「どこへ連れて行く。何を見学させる。」のみならず「どこで学ばせる。何に感動させる。」という教師の思いがしっかりと込められた行事となるよう,見通しを持って計画していきたいと考えます。


   平成7年度昭和新山     平成11年度ひめゆりの塔      平成23年度法隆寺

大玉中学校40年の歩み Episode4 修学旅行の移り変わり その1

  本年度の3年生の修学旅行は,京都,大阪,兵庫の2府1県を舞台に,二泊三日の日程で4月に実施しました。(詳細は学校だより第6号~第10号に掲載)下の表は,過去40年間の,大玉中における修学旅行先の,方面別実施回数をまとめたものです。

  ○ 関 東(東京,神奈川,静岡,千葉)方面:25回
  ○ 関 西(京都,奈良,大阪,兵庫)方面:11回
  ○ 北海道:2回
  ○ 沖 縄:2回

 〈昭和50年度~平成6年度〉
  創立から20周年目にあたる平成6年度まで,行き先は一貫して東京を中心とする関東方面でした。東京以外の訪問先としては,鎌倉や江ノ島,静岡の登呂遺跡や三保の松原まで足を伸ばした学年もありました。皇居の二重橋や鎌倉の大仏を背景に撮影したクラスの集合写真は修学旅行の象徴でした。その他,東京タワーや羽田空港,国会議事堂などが都内における定番の見学地でした。
 昭和57年の東北新幹線の開業と,翌58年の東京ディズニーランドの開園で,昭和60年代から平成にかけて,修学旅行の訪問先も旅行形態も様変わりを遂げます。新幹線利用で移動時間が短縮されたことにより,鎌倉まで足を伸ばした後,横浜や東京都内でナイター観戦を組み入れることが可能となりました。(昭和60年度~平成6年度)旅行の2日目または最終日には,半日以上東京ディズニーランドでの自由時間を取り入れるようにもなりました。活動形態も,大型バスを利用して全員で名所を巡る団体行動から,少人数による班行動が中心となるなど変化してきました。宿泊先も大人数で和室に泊まる日本風の旅館から,ツイン又はトリプルをベースにしたシティホテルに変わってきました。夜の枕投げはいつしか伝説になりました。(次号に続く)


  昭和52年度登呂遺跡      昭和60年度神宮球場   平成4年度東京ディズニーランド

大玉中学校40年の歩み Episode3 学校行事 ~削減の経過~ その2

学校週五日制が平成4年度から月1回,平成7年度から月2回と段階的に試行され,平成14年度に完全実施となりました。週の授業時数も28時間まで減少しました。これに伴い,平成6年度には水泳大会が,平成7年度には一気にマラソン(駅伝)大会,映画教室,芋煮会が学校行事から姿を消しました。芋煮会に関しては「収穫祭」と名称を変えて平成14年度に復活しましたが,平成23年度には再び削減されました。
  社会の変化や安全性を考慮して見直された行事もあるとは思いますが,40年前の大玉中学校と今の大玉中学校とでは,生徒にとってどちらが魅力ある学校なのだろうか?授業や部活動以外で,子どもたちの笑顔が弾ける場面はどのくらいあるのだろうか?記録を整理していく中でそんな思いが込み上げてきました。
 私は30年前にいわき市の中学校で教員生活をスタートしましたが,その学校でも,登山を除いて開校当初の大玉中学校とほぼ同じ行事を実施していました。授業中の記憶はほとんどありませんが,教え子と一緒に身体を動かしたり,おいしいものを食べたり,クラスの勝敗に一喜一憂した記憶は鮮明に残っています。授業中目立たない生徒がキラキラ輝くシーンをたくさん見ました。国は平成25年,「脱ゆとり」として,土曜授業を可能にする法改正を行いました。本年度は,本校でも3回実施します。授業を実施し,学力の向上を目指す事も大切でしょうが,この40年間で失われていった学校行事の一部を復活させるための土曜授業があっても良いのではという思いを強くしました。保護者や地域の皆様方のご意見をお聞かせいただければ幸いです。

   平成6年度最後の駅伝大会  平成11年度最後の陸上大会 平成22年度最後の収穫祭

浴衣の着付けを教わりました ~学校支援ボランティア 1年家庭科~

  1年生の家庭科では現在,衣生活分野の学習をしています。6日,1組の授業で,日本の伝統的な和服についての学習として,浴衣の着付け体験教室を開きました。
 今回は6名の学校支援ボランティアの方にご協力いただきました。まず,代表の生徒がモデルとなり浴衣を着付けてもらいました。浴衣の着付け方を生で見た生徒たちは,思わず「難しそう」とつぶやいていましたが,そのあとマンツーマンで着付け方を一から教わり,何度か練習したところ,友だちの着付けを手伝ったり,ほとんど自分で着付けたりできるようになりました。最後にファッションショー形式で浴衣姿を見せ合い,度々歓声が上がりました。今後,他の学級でも実施する予定です。 

大玉中学校40年の歩み Episode3 学校行事 ~削減の経過~ その1

   昭和51年度(開校2年目)に実施された主な学校行事
     〈体育的行事〉
       ○校内球技大会 ○校内陸上競技大会 ○校内水泳大会 ○校内マラソン大会
     〈その他〉
       ○映画教室 ○文化祭(合唱祭) ○芋煮会 ○安達太良登山 ○写生会

                ↓

   平成27年度(本年度)実施する主な学校行事

       ○体育祭 ○文化祭(合唱祭)

 上の図は,修学旅行など旅行的行事を除いた主な学校行事を,開校当時と本年度とで比較したものです。現在の体育祭は,一部かつての球技大会や陸上競技大会の要素を含んだものと考えられますが,改めて比較すると多数の行事が削減されてきたのだと思い知らされます。
  では,これらの行事がいつ頃,どのような背景で消えていったのでしょうか。40年間の変遷をたどると,その主な要因は,国の教育施策の転換等に伴う,授業時数の削減や学校週五日制の導入が大きくかかわってきたことが分かりました。昭和56年度から実施された学習指導要領では「詰め込み教育」や「偏差値教育」から「ゆとり教育」への転換が図られ,週の授業時数が前年度の34時間から30時間に減少しました。そのため学校現場でも学校行事の見直しが図られ,大玉中学校でも57年度から安達太良登山と写生会が学校行事から削減されたと予想されます。その代わりに鑑賞教室(音楽,演劇)が新設され,平成4年まで続きました。(次号に続く) 
    
     昭和56年度の安達太良登山