大玉中学校日記

2017年3月の記事一覧

修了式校長式辞

~夢なき者に成功なし~
                                 校長 渡辺 康弘

 三学期の始業式で,錦織選手が小学6年生の時に書いた作文を紹介しました。「夢は人を前向きに変える力があります。勉強や部活動に対するやる気を引き出す力があります。」とお話ししました。1,2年生は春休み中に,家族と相談しながら自分の近未来予想図を作成してみて下さい。

 作成の手順の一例をお話しします。

 将来,一流企業のビジネスマンになりたいという夢を持ったとします。まずはその企業に就職した人が多い大学名を調べます。次に,その大学への合格者を輩出している身近な高校を2~3校選び出します。できれば,何名ぐらい合格しているのかや高校進学後所属したい部活動があるかどうかも合わせて調べておけばよいでしょう。次にその高校へ進学するための数値目標(実力テストの点数や大玉中学校での順位等)を担任の先生に教えてもらいます。そして,現時点での第一・第二希望の高校を決めます。次に,その数値目標をいつまでに達成するか,目安とするテストを決めます。あとは,目標のクリアを目指しひたすら努力あるのみです。早めに第二希望の数値をクリアし,第一希望を目指しましょう。

 高校卒業後,技術者として成功したいという夢の場合は,その職種に役立つ資格をどれくらい取得することができるのか,その高校の国家資格等の取得人数の実績,就職先の企業名,進路変更で大学進学を希望した場合の可能性など,多くの情報を加味しながら目標とする高校並びに学科を決める必要があります。

 さらに,自分が就職する時期の社会情勢も考慮する必要があります。

 明確な目標を持ち,その実現に向けてしっかりとした計画を立て着実に実行していくことが夢実現の近道です。最後に幕末の思想家,吉田松陰の言葉を紹介します。
 

 夢なき者に理想なし  理想なき者に計画なし
 計画なき者に実行なし 実行なき者に成功なし
 故に夢なき者に成功なし           吉田松陰

 4月6日の始業式には,皆さん一人ひとりが大きな志を胸に刻み新年度を迎えてくれることを願っています。  

卒業式校長式辞

~確かな志を心に刻んで~
                                 校長 渡辺 康弘
 昭和50年4月に大玉中学校として開校以来,第42回目の卒業生となられた80名の皆さん,卒業おめでとう。心からお祝い申し上げます。
 
皆さんは,平成26年4月に入学以来,6年前に発生した東日本大震災からの復興の歩みが進む社会の中で,これからの大玉中学校の創造に向けて,そして,ふくしまの復興の担い手となるべく,その基盤となる人間としての生き方を日々追求してきたことと思います。卒業というこの節目の時に,「これからどんな人間になろうとしているのか」と自分自身に問いかけ,確かな志を心に刻んでほしいと願います。
 
今,卒業証書を手にした瞬間の一人ひとりの決意に満ちた表情を見て,私は胸が熱くなりました。昨年4月の初めての出会いの日から,皆さんは少し照れながらもいつも明るく人なつこく,様々な場面で私の心の中に素敵な印象を残してくれました。授業や部活動,各種大会での真剣なまなざしと修学旅行や体育大会などで見せた満面の笑みは,まさに今を生きる青春の象徴でした。あだたら祭における各学級の心と心をつないだ合唱とユーモアの中にも先生方への感謝の気持ちがこめられたステージ発表,そして当日皆さんのほほを伝わった涙は,将来にわたりつながっていくであろう仲間との絆の象徴でした。校長室での会食で,将来の夢を語る皆さんの姿から,私は,失いかけていた挑戦への新たな勇気をもらいました。そして冬が来て,進路目標の実現に向けて努力する引き締まった表情は,試練に立ち向かうたくましい姿でもありました。できることならば時間を戻してそれぞれの瞬間で得た感動をもう一度確かめたくなるものばかりです。
 
皆さんがこの学校で過ごした3年間の様々な日々,うまくいったことも失敗したことも全て無駄ではなかったと信じています。そして皆さんは確かな成長を遂げました。どうか自信を持って力強い第一歩を,この母校から踏み出して行きなさい。
   
卒業生の皆さん,いよいよお別れです。3年間の中学校生活を力と誇りにして,勇気を翼にこめて,希望の風に乗り,自分の志に向けて歩き出しなさい。そしていつまでも命を大切にして下さい。