日誌

鉛筆 最近の子どもたち

 最近の子どもたちについて、思い当たること、いくつありますか?
 ①からだがシャキッとしない(低緊張)
 ②動きが止められない(多動)
 ③なんだかぎこちない動き(不器用)
 ④歩くのが不安定(バランスが悪い)
 ⑤さわられるのが嫌(触感覚の混乱)
 ⑥情緒が不安定(愛着の問題)
 8月4日行われた特別支援教育研修会における安斎朋美先生(本宮市立まゆみ小)によれば、これらの行動の背景には「感覚統合の問題」があるそうです。例えば、
 軽くたたいたつもり→ 痛いほどの力でたたいてしまった(すぐ友だちに手を出してしまう子というレッテル)
 ものをただ置くだけ→ 強くたたきつけてしまった(乱暴な子というレッテル)
これらは、固有感覚の未発達によって力の調整がうまくできないことに起因するのだそうです。
 他のお子さんと一緒に同じ行動ができずにいつも一人で行動している→ 聴覚の感覚統合に原因(指示内容を正確に聴き取って理解することが難しい、大きな音やざわざわした人混みから発せられる音に拒絶反応を示す等)
子どもの困った行動の背景には、上記のような可能性も考えられるとのことです。

 感覚統合がうまくいかないと、
◎感覚面…触られることを極端に嫌がる、ドライヤーや泣き声など特定の音が嫌い、自分で頭をたたく、いつまでもジャンプする
◎情緒面…順番が待てない、気持ちの切りかえができない、こだわりがある
◎言語面…話しかけても振り向かない、言葉が出てこない、助詞を間違う
◎対人面…友だちとうまく遊べない、みんなと同じ行動ができない、ルールが理解できない
◎動作面…じっとしていられない、大きな動きの運動が苦手、ひも結びや箸の使い方など細かな運動が苦手
の現象が見られるそうです。そこで、この研修会では、不器用さを改善するために身体的基盤を整える指導、目と手の協応を促進する指導、体つくりの基本となる指導などについて演習を行いながら学ぶことができました。
 不器用な子どもの支援で重要なことは、①機能の凹凸や遅れが有る子どもにも、必ず自ら「発達する力」がある  ②他児との比較でなく、その子の成長を見る  ③とにかくほめる!ほめすぎるということはない  ④苦手なことの練習よりも得意なことの上達を
と、ご指導いただきました。

 最近、マスコミでも、発達障がいについて取り上げられることが多くなりました。HP担当者も、ピアニスト野田あすかさん(35歳)、モデルの栗原類さん(22歳)、優れた味覚を生かした珈琲豆焙煎店をオープンさせた岩野響さん(15歳)の物語などを、テレビでとても興味深く拝見したばかりです。言葉では友だちがつくれなかったのに、音楽を一緒にするとすぐに友だちになれたと涙する野田さん、発達障がいの自分が輝ける場所をみつけることができた理由を語る栗原さん、“ぼくができることから ぼくしかできないこと” というお店のキャッチフレーズを紹介しながら高校に進学しない道を選んだ岩野さんのお話、とても心に響きました。
 お父さんお母さん先生を「困らせている子ども」は、実は「とても困っている子ども」なのです。私たちも、もっともっと学ばなければなりません。一人一人の子どもの幸せを願いつつ。