台北市内で台湾の歴史と文化に触れる~「友好の翼」旅行記 Part5~
【7月30日(木):3日目 その2】
13時30分、バスは九份を後にしました。再び台北に戻り、14時30分、「故宮博物院」に到着です。蒋介石が中国大陸を追われる際一緒に持ち帰った中国歴代皇帝の至宝を収蔵するこの博物館は、世界四大博物館に数えられ、一年を通して世界中から多くの観光客が訪れます。館内は、夏休みということもありたくさんの観光客でごった返していました。現地ガイドの石黒さんの説明が聞こえるようヘッドホンを装着し、早速故宮三大秘宝と言われる青銅器の「毛公鼎(もうこうてい)」、玉の「翠石白菜(すいぎょくはくさい)」「肉形石(にくけいせき)」を見学しました。この三品だけは立ち止まって観ることは許されないほどの人気で、合計30分ほどかけての鑑賞となりました。翠石白菜は昨年、日本の国立博物館で展示公開されましたが、その時の待ち時間は3時間だったそうです。その後、唐三彩や北宋汝窯の青磁、清の象牙透彫雲龍文套球といった故宮を代表するその他の展示物を厳選して案内していただきました。わずか1時間程の見学でしたので、生徒たちには、将来、この展示物の価値を知った後、再び訪れて、ゆっくりと時間をかけて鑑賞してほしいという思いを強くしました(第6位:3名)
15時50分、故宮博物院を出発し、「忠烈祠」に向かいました。「忠烈祠」は豪壮な中国宮殿様式の霊廟で、辛亥革命や戦争などで犠牲となった数十万の将兵がまつられています。ここでのお目当ては9時から17時まで、1時間ごとに行われる衛兵の交代式。スコールで交代式が行われるかどうか心配されましたが、16時の開始時刻には雨が上がり、7名の衛兵(徴兵訓練中の訓練兵の中のエリートが担当)による交代式を見学することができました。約30分間、一糸乱れぬその動きに生徒たちはもちろん引率団員も、盛んにカメラのシャッターを切っていました。(第5位:6名)
16時35分、忠烈祠を後にし「龍山寺」に向かいました。途中車窓からは日本統治時代に台湾総統府として建築された総統府、蒋介石を記念して建てられた中正記念堂を見ることができました。17時10分、「龍山寺」に到着です。台湾最古の仏教と道教の寺廟で、台北随一のパワースポットとして信仰心の厚い台湾人の参拝客が一年中絶えないそうです。我々が訪れた時間帯も、台湾特有の長い線香とお供え物を持ったたくさんの参拝客で狭い境内がごった返していました。生徒たちは、学問成就と恋愛成就の神様に盛んに手を合わせていました。(第7位:1名)
18時30分、台湾での最後のディナーは石鍋料理です。台湾人は、真夏でも冷房の効いた店内で鍋料理を食べることを好むそうです。巨大な石鍋に豚骨?ベースのスープとエビなどの魚介類や豚肉、野菜や練り物、輪切りにしたトウモロコシなどたくさんの具材が入れられ一緒に煮込まれます。台湾風寄せ鍋と言ったところでしょうか。最初に中身を食べた後は、第二弾としてラーメンが煮込まれ供されます。そしてしめは卵でとじた雑炊生徒たちには、豆板醤やつけダレを加えながら自分好みの味に調整するなど、食の楽しみ方も学ぶよい機会となったようです。
食事を終えた一行は、バスで最寄りの駅に送ってもらい、MNT(電車)に乗車し、本日最後の目的地、「士林夜市」の最寄り駅まで移動しました。「士林夜市」は台北随一の夜市で、食べ物の屋台や雑貨、衣料品などの屋台が三本の通りを中心に所狭しと並んでいます。原宿の竹下通りの昼の賑わいが、午後10時から深夜の1時頃をピークに毎晩繰り返され、店舗数も数倍に上ると説明すればおわかりいただけるでしょうか。人混みが大好きで外食を好む台湾人にとって、夜市は欠かせない場所で、台北市内にはほかにもたくさんの夜市があるそうです。さて、このような雑踏の中、生徒たちは、支給されたタピオカのパパイヤミルクを片手に、約1時間自由散策を楽しみました。夕食後間もない時間にもかかわらず、約半数は台湾名物であるマンゴーかき氷の店に直行です。露天では、男子には帽子等の服飾品、女子にはブレスレット等の装飾品が人気のようでした。20時50分、名残惜しそうな表情を浮かべながら生徒たち、そして引率団が集合場所に戻ってきました。(第2位:11名、引率団では圧倒的に第1位)
21時40分ホテル到着。心地よい疲労感に包まれながらホテルに着いた一行は、明日早朝のフライトに備え、荷物の整理を行った後、22時30分頃には就寝となりました。(つづく)
忠烈祠 龍山寺
士林夜市
福島県安達郡大玉村
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