大玉中学校日記

胸を熱くした2つのエピソード ~県中体連陸上競技大会県北予選会~

 陸上の県北大会で、私の胸を熱くした2つのエピソードを紹介します。
 1つ目は、3年男子100M準決勝のスタート地点に立った生徒のことです。11日に開催された選手壮行会の際、私から選手達に「スタート地点に立ったとき、静かに目を閉じ、拳を握ってユニフォームの胸の部分にあてなさい。そこには「大玉中」の文字が見えます。それを見て、自分は大玉中の代表としてこの場に立っていることの誇りを思い起こし力にしない。」という話をしました。…まさにスタート直前、静かに目を閉じて深呼吸をしながら拳を胸にあてた姿は、本部席にいた私からもはっきりと見て取れました。残念ながら決勝に進むことは叶いませんでしたが、「大玉プライド」を持ってレースに臨んだ彼の姿に感動しました。
 2つ目は、共通走り幅跳びで見事4位に入賞した生徒のことです。この日は絶好調で、3回目までの跳躍の結果、見事6位でベスト8に残りました。記録は5m44㎝、自己ベストの記録でした。残り3回の跳躍でこの順位をキープできれば県大会への出場が決まります。5回目を終わり、6~8位の選手の記録は変わらず、最終6回目の跳躍になりました。しかし、ここで8位の選手が5m45㎝、7位の選手が5m47㎝とたて続けに記録を伸ばし、8位に順位を落としたのです。残されたチャンスはわずか1回、自己ベストを更に上回る5m47㎝以上跳ばなければ県大会への道は閉ざされます。しかしこの時、私には、彼の表情と5回目の跳躍の雰囲気から「跳べる!」という漠然とした期待感がありました。30分ほど前、ベスト8進出が決まり、決勝の跳躍を前に他の選手が硬い表情を見せる中、彼は満面の笑顔で私の声援に応えてくれました。さらに5回目の跳躍では、惜しくもファールになりましたが「責め」の跳躍をしていたからです。運命の6回目、力強い助走と踏切の後、彼の身体が躍動しました。白旗が上がります。速報版の表示を待ちます。…「5m62㎝」4位に順位を上げ、県大会出場を決めました。プレッシャーに打ち勝ち、強い精神力と集中力で成し遂げた土壇場での逆転劇。この後に続く選手達への大きな大きな励みになりました。おめでとう、そしてありがとう。